「パンプスメソッド研究所 i/288」に行ってきました
「パンプスメソッド研究所 i/288」とは?
パンプスメソッド研究所は、
全日本革靴工業協同組合連合会が試験的に運営している
シューズショップです。
といってもデザインは数種類。
その代り、サイズが豊富にそろっています!
サイズ詳細は以下の通り。
- 足長:19.5㎝~27㎝の16サイズ
- 足囲:A~Fの9サイズ
- 足形状:ストレート、カーブの2タイプ
全288サイズの展開です!
だから、名称に ” i/288 ” とあるのですね。
なぜ、こんなショップができたのか、というと、
今後、海外から個人輸入する靴の関税がなくなる(らしい)流れを鑑み、
日本の靴が売れなくなるのでは?という業界の懸念を払しょくするため
「日本人の足に合ったサイズ展開」を広めていく
ということでできた場所のようです。
(経産省からお金が投入されているらしいです)
ここで扱っている靴の木型は独自のもので、
今後この木型を各靴メーカーに提供していく予定だそうです。
また、日本人の足も変わってきているため、
サイズ感を改めて調査する、という意図もある様子。
特に私は、幅狭足なので、
「幅狭足も結構いるよ!」と業界にアピールするチャンス!
ということで、ずーっと気になっていたのです。
とにかくパンプスを履きに行ってみよう!
なかなかタイミングが取れなかったのですが、
私と同じようにサイズに悩む友人を連れ、行ってきました。
※以下、店内写真はパンプスメソッド研究所公式サイトより
店員さんは4名!かなり丁寧に対応してくれます。
お店はびっくりするほど広く、
靴を履いて、思う存分歩けるようになっています。
(↑ここ、超大事!)
以下、いただいたパンフレットより。
こんな流れで測定・試着が進んでいきます。
1、カルテ作成
まずは、カルテに、自分が把握している足のサイズと
足の悩みを書き込みます。
いつもかかとがパカパカする、
靴のどの辺が当たりやすい、豆や水ぶくれができやすいなど
悩みを書いておくと良いと思います。
2、測定
カルテを店員さんに渡したら、3Dで足のサイズを測定。
カネマツのクチュリエにあるものと同じような感じでしたが
足の各屈折箇所にシールを貼ってからの測定だったので、
より詳しいデータが取れていそうです。
以下の画像は、最後にいただいた測定結果です。
測定結果は、22.0㎝のC幅。
半荷重(両足立ち)の測定でしたが、まあ、予想通り。
荷重なしのサイズは計られませんでした。
3、試着
測定結果に合わせたサイズのパンプスが出てきます。
広ーいスペースを自由に歩き回って
靴のフィット感を確かめることができます。
22.0㎝C幅の靴が出てきて試着。
うん、大きい。
次に、22.0㎝B幅を出してもらったのですが、きつい!
かかとはこちらの方がフィット感がありますが、
トップラインが食い込んでいます。小趾も当たっている。
私のサイズは、22.0㎝のA幅だと思うので、
この木型はちょっと狭めなのかな?という印象。
ちなみに木型はストレートとカーブの2種。
名前から、内振りの有無かなと思ったのですが、
店員さん曰く、甲部分の厚みの違いとのこと。
私の場合、トップラインが食い込んでいるので、
甲により厚みがあるストレートがおすすめだそうです。
店員さんは、22.0㎝のC幅で中敷入りを進めてくれましたが、
ぜっったい、前すべりする!かかとのフィット感もないし!
という印象。
もうひとつの提案が、22.0㎝のB幅で革を伸ばす、とのことでしたが、
革を伸ばすのは、最後の手段にしたい。。
というか、トップラインの食い込みはどうにもならないかな。
B幅の時点でトップラインの食い込みが結構あったので、
22.0cmのA幅は履きませんでした。
ちなみに、ここでは無理に購入を勧められることはないので、
安心してどんどん質問して、どんどん試着するといいと思います。
4、データの受取、購入
カルテに、サイズを記載していただき、
持ち帰ることができます。もちろん、その場で注文もOK。
私の場合、ジャストサイズがなかったため、
データのみを持ち帰りました。
サイズは、複数の提案があったので、
注文の際のメモとして、どちらも書いていただきました。
- 22.0㎝C幅、要 中敷調整
- 22.0㎝B幅、要 ボール部ストレッチ
といった具合に。
カルテを書いていただきながら店員さんと話したのですが、
カラーオーダーも受けているとのこと。
価格は、黒のパンプスで27,000円+税、
カラーオーダーで33,000円+税といった感じ。
最後に。
右の小指が当たるのが、どうしても気になりました。
以前、アンドステディさんのセールで買った
22.5cmAA幅が、意外と足への当たりが少なかったことを思い出し、
友人もまだ試着中だったので、
さらに22.5㎝のA幅を試着をお願いしてみました。
履いてみると、当たりも少ない、
捨て寸が大きくなったこともあり、指に余裕がある。
これが一番楽かもしれない。
ただ、かかとのホールド感はちょっと不安が残る感じだし、
長時間歩いたら前すべりするかも、という印象。
店員さんも、このサイズだとしたら、
ふまず部分に中敷を入れた方がいいかもとのことでした。
こうやって、疑問に思ったことなどを伝えると
納得のいくまでためし履きさせてくれるところも
このお店のよいところです。
このA幅のデータもカルテに書き込んで渡してくれました。
本当に丁寧な接客、ありがとうございました。
パンプスメソッド研究所の”パンプス”ってどうなの?
パンプスメソッド研究所の商品は
独自木型のパンプス。
私の足には合わないようですが、
あらためて、どんなパンプスなのか見てみます。
パンプスとしては、6㎝ヒールの高さを感じさせない履きやすさで
とても良いと思いました。
ロングカウンターでサイドからのホールドも期待できるし、
幅狭靴なのに履き口が浅く、キレイな形。
足に合えば一足持っていてもよいかも、と思います。
(神戸屋さんに言わせると、職人技が詰め込まれた木型だそう!)
ちなみに、今後デザインを増やしていく予定とのことで、
私のように、トップラインの食い込みが気になるなら、
甲を覆う部分が大きいシューティの販売を待ってもよいかも、
と店員さんに言われました。(販売時期未定)
ただ、ジャストサイズのフィット感を
しっかり把握してから行くべきかも
同行してくれた友人は、
測定サイズが同じく22.0㎝C幅だったようですが
「きついと感じた」とのことで、EEまで広げて試着していました。
それを遠目に見ていたのですが、
どう見てもゆるそうだったので、ちょっと気になりました。
パンプスは、足を押さえるポイントが絞られるデザインのため
ある程度のフィット感(足全体をきゅっと締める、けど痛くない)が必要な
難しい靴だと思うのですが、その辺は説明されなかったようです。
パンプスメソッド研究所は、あくまでも既製靴の提供。
その人が良いと思うサイズを提供する、という方針のようです。
フィット感は履いた本人の感覚に任せられるため、
パンプスの履き感に慣れていないとサイズ選びが難しいかも。
レポートは以上です!
既製靴でA幅まで試着できるのは、本当に希少であること、
ここが業界の基準になるかもしれないので、
幅狭足さんは、ぜひ足を運んでデータを提供してみてはいかがでしょうか。